(一社)全国牛乳流通改善協会
優秀賞
有限会社スノーミルク
代表者齋藤 正敏氏
発表者齋藤 正碁氏(写真)
本店事務所は母親の住居の2階に開設していたが、取引量が増えるとともに不便さを感じるようになったので、効率的営業を目指して、平成23年に代表者正敏氏が開設した手づくり「プレハブ事務所」に移転した。事務所前面は大通りに面し、また裏側に広い駐車場を備えており、小売店を併設しても良さそうな好立地である。
店数 | 冷蔵庫 | 冷凍庫 | 自販機 | ショーケース | |
---|---|---|---|---|---|
本店 | 1店 | 2坪 | 1坪 | 2台 | ー |
保冷車 | 冷蔵車 | 軽トラック | ライトバン | その他 | 持込車 |
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ー | ー | ー | ー | 4台 | 20台 |
経営者 | 家族従業員 | 専従従業員 | パート アルバイト |
合計 | |
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男性 | 1人 | 1人 | 1人 | 6人 | 9人 |
女性 | ー | 1人 | ー | 18人 | 19人 |
合計 | 1人 | 2人 | 1人 | 24人 | 28人 |
商品分類 | 前年比 | 構成比 | |
---|---|---|---|
牛乳関連 | 普通牛乳 | 105.6 | 96.6 |
加工乳 | |||
LL牛乳 | |||
乳飲料 | |||
ヨーグルト | |||
その他宅配商品 | 98.4 | 3.4 | |
牛乳関連合計 | 105.3 | 100.0 | |
宅配卸以外の売上計 | 0 | 0 | |
合計 | 105.3 | 100.0 |
業態 | 前年比 | 構成比 |
---|---|---|
宅配 | 103.9 | 97.4 |
卸(小売) | 0 | 1.5 |
自販機 | 87.5 | 1.0 |
集団 | 0 | 0 |
その他 | 0 | 0 |
合計 | 105.3 | 100.0 |
商品分類 | 前年比 | 構成比 | |
---|---|---|---|
牛乳関連 | 普通牛乳 | 109.9 | 96.8 |
加工乳 | |||
LL牛乳 | |||
乳飲料 | |||
ヨーグルト | |||
その他宅配商品 | 91.4 | 3.2 | |
牛乳関連合計 | 109.2 | 100.0 | |
粗利益率 | 42.3 | ー |
配達 時間帯 |
コース数 | 集金方法(軒) | 日均 本数 |
|||||||||
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毎日 | 週3 | 週2 | 週1 | 他 | 訪問 | 振込 | 引落 | 袋 | 他 | 合計 | ||
早朝 | 13 | 4 | 200 | 2200 | 2400 | 1,471本 | ||||||
午前 | ||||||||||||
午後 | ||||||||||||
夜間 | ||||||||||||
その他 | ||||||||||||
合計 | 13 | 4 | 200 | 2200 | 2400 |
店舗周辺の住民が気持ちよく安全に生活できるように、地域の清掃や美化を率先して行っている。
周辺住民だけではなく、大勢の通行人からも感謝されている。
骨密度測定器『骨ウエーブ』を利用して、地元郵便局を中心に月15回程度イベントを実施している。今年3月から延べ120回、約3,600名測定した。
イベント実施により約400軒の新規顧客獲得に成功した。
またイベントの告知は、宅配顧客へ定期的に告知することで、新規客だけでなく、既存客からも注目されている。
これまでの郵便局だけでなく、地元のコミュニティセンター、スーパーマーケット、老健施設でもイベントを実施している。また、今年は、「チ・カ・ホ」札幌駅前通地下歩行空間(歩行者専用道路)や小樽市の南樽市場でも実施した。
少人数、小規模イベントならではの「フットワークの軽さ」で、いつでもどこでも開催できる。3か月~半年スパンでイベントを実施、定期的に「骨密度測定」することで、地域のお客様に「健康成果」を実感してもらうことを考えている。
前職の仲間5人と石狩市の生ごみリサイクル工場内で有機栽培の家庭菜園を行っている。そこで収穫した野菜を無償でお客様に提供している。
落本防止に大いに貢献していると同時に、お客様との交流が深まっている
配達が早朝のみのため、配達時のコミュニケーションがとれないので、メーカーキャンペーンや新製品情報などのチラシを配付するときに直接手渡しを心がけ、商品説明をすると同時に世間話などをしながら「安否確認」を実施している。
直接、お客様と触れ合うことで、高齢者の健康状態もほぼ予想がつくので、その後の対処にも役立っている。今後は、コミュニケーションの機会を増やすため、訪問集金の拡大にも力を入れていくことにしている。
早朝配達で、しかも週1回のコースもあるため、取り忘れ防止対策には特に気をつけている。
新鮮な牛乳を飲んでいただくための細かい配慮が、取り忘れ防止対策に効果を顕しており、品質に対するトラブルは発生していない。
冬の雪の多い北海道では、庭の植木の保護が大切であるが、身体が不自由な方や健全であっても丈の高い植木は手に負えないという高齢者から、冬囲いをしてもらえないだろうかとの依頼がくる。簡単でよければという条件付きで、できるだけ希望に添えるように実施している。
店舗及び自宅の近くで生活している一人暮らしの高齢者に、雪が積もったら毎回無償で雪かきを行っている
お客様からは大変感謝されており、お客様とのコミュニケーション維持と落本防止に大いに効果が上がっている。
専任スタッフが定期的に訪問し、骨密度測定イベントや機能性商品のメリットなどを提案している。老健施設のスタッフからは、特に、ガセリ菌の「免疫力」についての問い合わせが多く、販売につながることが多くなっている。
冬の寒さが厳しい北海道では、ガセリ菌の「免疫力」機能について、入居者の免疫力低下による院内感染防止策としてメリットがあると喜ばれている。また、「骨密度測定イベント」は、入居者のお楽しみとして人気がある。さらに、本年10月に「小樽支店を開設したが、小樽市は札幌市よりも高齢化が進んでいるので、住民の健康維持のためイベントを実施して、早期に地域社会に溶け込むよう、より積極的に提案していくことを考えている。
琴似地区は「屯田の町」として昔から住民の結束が強い土地柄である。そういう基盤を考慮したうえで、町会が開催するイベントには積極的に参加しており、併せて協賛品を無償提供している。
地域住民や自治会との交流が深まることによって、店の信用が確実に向上している。
店舗周辺は交通量が非常に多く、道路横断に危険が伴うので、通学時の学童が安全に横断歩道を通行できるよう、毎日16時~17時頃に従業員1~2名で安全旗を使って、安全活動を実施している。
お店の青いユニフォームを着て実施しているので、該店の従業員というのがわかり地域住民、特に子供が通学している家庭から感謝の言葉が寄せられている。
該店は朝配100%なので,お客様との接点は受け箱であると認識しており、「受け箱は命」と位置付けている。
受け箱の汚れに対する苦情はほとんどない。配送スタッフの安全衛生に対する関心が高まっている。
後継者の正碁氏は平成26年以降、道内外の複数の販売店を視察し、様々な経営者と触れ合い独自に経営スタイルを勉強してきた。また、今年度からメーカー協議会「青年部北海道代表」に就任した。今後は「発信する側」としても活躍することになる。
次代の幹部候補としての社員を、新規拡張ノウハウや会議スタイルを吸収すべく優良店視察を実施した。さらに今後も随時教育を実施していく予定。
社員向けとパートスタッフ向けにそれぞれ「労働契約書」を作成し、役割と報酬を明確にした。
事務を担当していた長女が銀行に就職した後は、家族の中で業務を行っていたが、小樽市進出をきっかけに、初めて家族以外の事務員採用に踏み切った。
日常実施しているミーティングに加えて、月1回「定期会議」を開催し、従業員の実績進捗状況と今後の目標設定、及びスキル向上を目的に実施している。
事務員として採用したスタッフが前職はパソコン教室の先生だったことから、旧態依然としていた事務作業をITで効率化した。
今までは、手作業で行っていた業務がIT化されたことにより、格段の効率化につながっている。
代表者正敏氏が、閉鎖検討中の販売店を引き継いで創業してから18年、ゼロに近かった宅配客を2,400軒にまで増やすことができたことに敬服する。マーク系列企業で勤務し、所長まで経験していたとは言え、実際は一介のサラリーマンであり宅配に関するスキルには乏しかったものと推察できる。その中で、他店との差別化を図るために、地域密着を掲げて事業を推進してきたことが、宅配客2,400軒という現状につながっているのである。地域密着の意思は経営方針にも「楽しく社会に貢献できる牛乳販売店」を目指すと示されている。
その表れが、①店舗周辺の美化活動であり、②家庭菜園で採れた有機栽培野菜の提供であり、③「骨密度測定会」の実施であり、④地域社会イベントへの積極参加である。その姿勢は一貫しており、地域住民に溶け込み、感謝しながら成長していこうという心構えが、素直に受け入れられたものである。
拡販については、4つの柱がある。①後継者正碁氏の訪問拡張…事業に参加以来、拡販に重点をおいており、単独で1,200軒獲得した。②「骨密度測定会」の実施で順調に拡販できている。③拡張スタッフによる拡販…男1名、女3名で拡販中。④閉鎖店の引継ぎ。である。4本柱という強固な地盤が築かれているのは心強い。特に閉鎖店の引継ぎはメーカーの信頼が厚いことを示しており、今後の高齢社会を鑑みれば、ますます閉鎖店引継ぎが増えていくものと思われ、メーカーにとっても貴重な存在であることが想像できる。
来年3月には後継者正碁氏が晴れて代表者に就任する予定であるが、平成26年以降の後継者教育の実施と過去の拡販1,200軒という実績があり、益々、発展していくことが予想される。そして、正碁氏を補佐する立場の幹部候補生の教育も進んでいる。またIT化で事務を効率化した事務スタッフも共に経営活動することなどが更なる安心感を漂わせている。