消費者のみなさまへ

牛乳ができるまで

酪震家は、それぞれの地域の乳⽜の飼育環境に応じて、欧⽶の酪農先進国に負けない、品質のよいお乳(⽣乳)を⽣産します。次に酪農組合などの冷却設備を備えたタンクローリー⾞などで酪農家より⽣乳を集乳します。
タンクローリー⾞で集乳された⽣乳は、5℃以下に冷却されたまま衛⽣的に⽜乳⼯場やチーズ‧バター‧脱脂粉乳‧加糖練乳などの乳製品⼯場へ運ばれていきます。
ここでは、国産⽣乳の加⼯処理量の60%を占める、⽜乳⼯場(学校給⾷⽤⽜乳も含む)についてふれてみましょう。

牛乳ができるまで
計量と受け入れ検査
⼯場に着いた⽣乳は、計量後、タンクローリーからパイプを通って貯乳タンクに送られます。
この時に⽜乳などの原料乳として受⼊れ可能かどうか、10種類以上の検査が⾏われ、直ちに5℃以下に冷却‧貯乳されます。
貯乳
検査をパスした⽣乳は、貯乳タンクで⼀旦ためられます。貯乳タンクには、構造として、⽣乳の温度上昇を防いだり、⽣乳中の乳脂肪球の浮上を防⽌する撹拌装置を備えています。
貯乳タンクには、屋外設置と屋内設置のものがあります。
清浄(小さなゴミや異物の除去)
⽣乳を製品化するには、まず⽣乳の中の⽬に⾒えないゴミや⽣乳に混ざっている乳⽜の乳腺などの体細胞などを強⼒な遠⼼分離装置(清浄機)や濾過機などで連続的に分離‧除去します。
遠⼼分離とは、遠⼼⼒(紐の先にボール(ゴミ)を結んでくるくる回して紐を放すと、重たいボールが円軌道を外れて遠くへ⾶ぶ原理)を利⽤したものです。
均質化(ホモジナイズ)
⽣乳中の乳脂肪球の⼤きさは直径0.1マイクロメーター(1m=w/wvvvmm)から10マイクロメーターあり、静⽌した状態で保存すると乳脂肪は⽣乳の表⾯に浮いてきて⽣クリームの層ができます。
製品にしたときにこのような分離が起きないようにするため、⽣乳に機械で強い圧⼒をかけて、乳脂肪球を2マイクロメーター以下の細かい粒⼦にします。この過程を「均質化(ホモジナイズ)」といい、この作業をする機械を「均質機(ホモジナイザー)」といいます。これにより乳脂肪の浮⼒がなくなり、たんぱく質も細かくなります。
⼩さい乳脂肪球やたんぱく質は、消化‧吸収がよくなるという利点がありますが、⼀⽅で飲んだ時に均質機を使わない⽜乳よりも薄くなったように感じます。
また、均質機のことをホモジナイザーとも呼ぶので、この機械を使わない⽜乳をノンホモ⽜乳と呼ぶことがあります。
殺菌
⼯場で受け⼊れられた「⽣乳」には、⽜乳の品質を悪くする細菌などが⼊っています。殺菌機を使って、これらの雑菌などを加熱により、ほぼ死滅させます。 殺菌後は直ちに5℃以下に冷却されます。
充填包装
⽣乳は殺菌処理後、貯乳タンクに⼀時的に貯蔵され、⽜乳容器へ容量に応じて充填され、紙容器は密封されます。
箱型容器の場合(ブリックパック、学校給⾷⽤⽜乳も含む)、⽜乳の容器に応じてロール紙を充填包装機の中で成形しながら⽜乳を⼊れて密封します。1リットル容器の多くは、紙容器を充填包装機の中で⾓筒状に成形しながら底を密閉し、⽜乳を⼊れて上部を密封します。
容器に充填‧密封したあとに、品質保持期限⼜は消費期限が印字され、検査⽤のサンプリングをし、ケースに⼊れられ、冷蔵庫で通常5℃以下で保存。検査結果を待って⼯場から出荷されていきます。
出荷
サンプリング検査で合格した⽜乳は、⽜乳⼯場から保冷⾞でいろいろな所に出荷されます。
ご家庭に配達するための⽜乳販売店(全改協の加盟店)、⼩‧中学校やスーパーとコンビニエンスストアの配送センター、⾃動販売機、地域の⾷料品店などに配達する⽜乳販売店、パン‧菓⼦などの原料に⽜乳を使う⼯場などに保冷⾞で運ばれていきます。

ページの先頭へ