令和5年度第35回牛乳販売店優良事例発表会にあたり、ご協力賜りました農林水産省はじめ、各メーカー様、都道府県流改協代表の皆さま、そして、参加店推薦にご尽力いただいた各マーク団体のご担当者に心から感謝申し上げます。
本年は、元日に能登半島地震が発生し、翌日にはその支援のための航空機が痛ましい事故に遭うなど、大変な幕開けとなりました。この場を借りまして、犠牲になられた方々のご冥福と被災された方々のお見舞いを申しあげます。また、被災された加盟店におかれましては、一日も早い通常業務の再開をお祈り申しあげます。
全改協主催の牛乳販売店優良事例発表会は、昭和62年に第一回を開催いたしました。その後、東日本大震災とコロナ禍で中止した年度がありましたが、今回で第35回を迎えることができました。本年度は8店に事例発表を行っていただきました。各店とも大変厳しい市場環境の中、工夫をこらし、また新しい視点で自店を発展させ、また地域社会への貢献に取組んでおられます。日頃のご努力に対して心から敬意を表します。
さて「牛乳宅配」、さらには酪農乳業という業界全体を見渡しますと、残念ながらたいへん厳しい状況であると言わざるを得ません。販売店、お客さまともに高齢化が進み、その減少傾向は一段と進んでおります。また、乳価の改定による牛乳乳製品の値上げ、配達に不可欠なガソリン等諸経費や人件費の高騰、食品衛生法の改定や安全のためのアルコールチェックへの対応など、昭和のピークのころのおおらかさとは比べものにならない厳しい環境の中におかれております。今回発表の各店はそれを逆にうまく利用され、乗り切ろうとする意気込み、アイディアが、事前審査の中からも伝わってまいりました。これは、今生き残りに対応しようとしている全国の加盟店の皆様に、必ずや役立つヒントになると確信いたします。
今は厳しい環境ではありますが、この数年改めて「宅配」という業種がクローズアップされています。牛乳宅配にも、他業種からの参入も増えています。私たち牛乳宅配は、「元祖宅配」であり、またお客様との最終接点である「ラストワンマイル」を担う業種です。誇りをもって日常の業務に向かって参りましょう。
最後にご協力賜りました皆さまに重ねて感謝申しあげ、お礼の挨拶といたします。
令和6年3月
一般社団法人全国牛乳流通改善協会会長
牛乳販売店優良事例発表会審査委員長
木納雅康