牛乳の栄養と機能(2)
⽇本は世界トップレベルの⻑寿国です。我々が、⽣活習慣病をはじめとする病気を未然に防ぎ、イキイキした毎⽇を過ごすためには、QOL(QualityofLife:クオリティ‧オフ‧ライフ、『⽣活の質』のことで、⽣活の指標です)を⾼める必要があります。 ⽜乳がもっている働き(⽣体調節機能)は、体の中でさまざまに作⽤して、QOLを⾼めます。
牛乳の感染予防機能
病原体から体をガードする。
⽜乳の、ラクトフェリンと呼ばれるたんぱく質や乳糖の中の成分には、病気の感染を防ぎ、⼈体に⼊った細菌が増えるのを抑え、体の免疫⼒を⾼める効果があることが知られています。 また、体が疲れることは免疫⼒の低下につながりますので、⽜乳を飲み、睡眠を⼗分に摂ることで体⼒の回復を図りましよう。
牛乳のカルシウム吸収促進機能
⾻密度をアップして⾻を丈夫にする。
⾻は、10〜20歳位まで急激に成⻑し、⾻量は最⼤に達するといわれています。 しかし、カルシウムの貯蔵庫という役割をもつ⾻も、⽪膚などと同じように、毎⽇少しずつ⽣まれ変わっているので、カルシウムが不⾜すると再⽣がうまく⾏われません。 カルシウム吸収率の⾼い⽜乳を飲み、カルシウム吸収を助ける適度な運動で⾻量を増やし、⾻を丈夫にしましょう。
牛乳のコレステロール調整機能
⾎流をよくしてコレステロール値を上昇させない。
⽜乳の中のたんぱく質は、⾎清コレステロールの吸収を抑えたり、合成するのを阻害する働きがあることが最近の研究で分かっています。 細胞膜の材料となるコレステロールは、健康を維持するためにはとても重要な栄養素てす。 しかし多く摂り過ぎても、少な過ぎてもいけないため、コレステロール量を適正範囲内に保つことが健康を維持する上で⼤切になります。
牛乳の血圧調整機能
⾎圧を降下させ、⾎管を丈夫にする。
カルシウムには、塩分の摂り過ぎによる⾎圧の上昇を抑える働きがあります。 ⾷塩を構成するナトリウムの摂り過ぎが起こす⾎圧の上昇を抑えるには、吸収の良い⽜乳のカルシウムは理想的といえます。 また、⽜乳のたんぱく質には、⾎管を、弾⼒性豊かにし、しなやかにする効果もあります。 ⾎管を丈夫にするという点でも、⽜乳は効果的な⾷品といえます。
牛乳の鎮静作用
不眠やイライラを解消する。
牛乳のたんぱく質に含まれる、トリプトファンという物質には、弱い催眠作用があります。 また、たんぱく質が分解されると、鎮静作用がある物質もできます。 特に寝る前の一杯の牛乳と軽い運動が、イライラした精神状態を落ち着かせるだけてなく、心地よい眠りに導いてくれます。
体脂肪を減らす
肥満を防ぎましょう。
肥満は生活習慣病の元凶です。肥満は体内で脂肪の燃焼がスムーズに行われないため、脂肪が細胞内に蓄積し、それが積み重なったことの結果です。 牛乳には、体脂肪率を下げる作用があり、運動を併せると効果的に体脂肪を減少させます。